将棋の棋士養成機関「奨励会」の第77回三段リーグの最終17・18回戦が6日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、1位の岩村凛太朗(いわむら・りんたろう)三段(19)と2位の生垣寛人(いけがき・ひろと)三段(22)、さらに次点2回の片山史龍(かたやま・しりゅう)三段(21)と山下数毅(やました・かずき)三段(17)がプロ入りを決めた。四段(棋士資格)昇段は10月1日付。三段リーグで一度に4人のプロが誕生するのは初めて。
奨励会の最高段位同士で争う三段リーグは半年に各18局を戦い、成績上位者2人が四段に昇段する。さらに、次点(3位)を2度獲得すると、順位戦参加資格のないフリークラスでの四段昇段の権利を得る。
今回は40人が参加。岩村三段が14勝4敗、生垣三段が13勝5敗でリーグを終え、1、2位となった。片山三段は13勝5敗で3位に入り、2度目の次点となった。山下三段は10勝8敗で3位までに届かなかったが、23年に次点を1度獲得し、今年5月には竜王戦の5組ランキング戦での決勝進出の活躍により、今回の三段リーグ終了時に次点が付与されることが決まっていた。
1回のリーグでの昇段者は原則的に2人で、2度目の次点付与者が出た場合は例外的に3人となるが、今回は4人。1987年に現行の三段リーグ制度が始まって以来、同時に4人の昇段は史上初となる。
岩村三段と片山三段は飯塚祐紀八段(56)門下で、生垣三段は井上慶太九段(61)門下、山下三段は森信雄七段(73)門下。飯塚八段門下からは初の棋士誕生となる。