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華麗にタイを切り分ける坂野博志さん=2025年6月4日、大津市坂本5丁目の日吉大社、四倉幹木撮影
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 食材や道具に感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)や食に関わる業界の発展を祈願する「包丁まつり」が4日、大津市坂本5丁目の日吉大社の拝殿であり、手を触れずに魚をさばく清和四條流の「式包丁」が披露された。

 式包丁は平安時代に宮中で始まったとされ、祝いの席などで行われていた。この日は、滋賀県内や京都から集まった料理人ら約80人を前に、大津市で飲食店を営む坂野博志さん(56)がタイをさばいた。薄い黄色の狩衣(かりぎぬ)をまとい、左手の「まな箸」と呼ばれるはしでタイをおさえながら、右手の包丁で鮮やかに切り分けた。その後、身を波に見立て、海をタイが漂っているように盛りつけて奉納した。

 儀式を終えた坂野さんは「日吉大社の式包丁は初めてで、練習を重ねてきたけれど手が震えた」と話した。

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