トランプ米政権による不法移民の一斉摘発に抗議して始まった、カリフォルニア州ロサンゼルスでのデモから6日で1カ月。デモ自体は小規模になっている一方、いまも移民当局による摘発は続く。政権と地元との対立は司法の場にも広がり、混乱の収束は見通せない。

 「米国は異なる民族が力を合わせてつくった国家だ。独立記念日はそれを再認識させてくれる」。祝日だった4日の独立記念日、ロサンゼルス市内であった抗議デモに参加したマイケル・フェガートさん(54)はこう語った。妻はメキシコ移民の2世。「誰か一人の権利が侵害されることを許せば、次は別の誰かの権利侵害につながる。自分にも関係する問題だ」と訴えた。

 デモの発端は、移民税関捜査局(ICE)が滞在資格のない不法移民100人以上を一斉摘発したことだった。抗議が広がると、トランプ政権は州兵の導入を決め、その後に海兵隊も派遣した。

トランプ政権への抗議デモの参加者ら。移民税関捜査局(ICE)への抗議を示す内容だけでなく、「中間選挙で彼らを捕まえろ」などといった主張もあった=2025年7月4日、米ロサンゼルス、市野塊撮影

「もっと話がしたかった」

 1カ月が経ち、デモは連邦政府の建物近くなどで散発的に行われる程度で、市民生活への大きな影響はなくなってきている。だが、摘発はやむ気配がない。

 中米グアテマラからの移民エ…

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