偽情報対策を命じるブラジル最高裁とX(旧ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏の争いは、ブラジルでのXのサービス停止にまで発展した。「表現の自由」を盾に偽情報対策を講じないマスク氏への批判は根強いが、ブラジルの司法界で強い権力を持つ最高裁のモラエス判事にも、「検閲だ」と危惧する声が出ている。
- 「X」悪化する偽情報汚染 広告対価が拡散動機、億単位の表示回数も
「SNS上の過激派はXで、ナチス、人種差別主義者、ファシスト、憎悪、反民主主義的な言論を大量に拡散している」
モラエス判事は30日、Xに事業停止を命じた決定でそう指摘し、ブラジルのSNSが「無法地帯」だとマスク氏を批判した。AP通信によると、ブラジルで月に一度でもXを利用する人は、人口の5分の1に当たる約4千万人いるとされる。停止の影響は甚大だ。
ブラジルの最高裁は元々、民…