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力投する遠野緑峰・江南義塾盛岡の菊池唯斗投手=2025年7月14日、花巻球場、長野剛撮影
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(14日、第107回全国高校野球選手権岩手大会2回戦 大野・葛巻・伊保内3―2遠野緑峰・江南義塾盛岡)

 一回裏に味方の失策と被安打で先制を許し、なお2死二、三塁でフルカウント。「もし打たれても、仲間が絶対取り返してくれる。思い切っていこう」。真ん中へ投じた速球は快音を立てて捕手のミットに収まり、三振を奪った。

 「よっし!」。遠野緑峰・江南義塾盛岡の菊池唯斗投手(3年=遠野緑峰)は心中、快哉(かいさい)を叫んだ。直球は最速132キロ。1回戦では岩手大会歴代4位タイの19奪三振で、この日も8三振を奪った。

 両校が組み、夏の大会出場が決まってから2カ月。菊池投手らは早く打ち解けるよう、積極的に江南義塾盛岡の選手に声をかけた。「連係プレーでアウトを取ったときとか、すごく喜んでくれるんです。仲間になれて良かった」と笑う。六回にはチーム初安打を放ち、仲間のバットで生還した。「負けたけど悔いはない。3年間の集大成をみせられました」

大野・葛巻・伊保内は16強

 岩手大会で連合チームの16強入りは、2022年の伊保内・軽米以来2度目。連合チームは初参加の04年から初戦負けが続いたが、21年からは勝ちも出るようになっている。

 大野・葛巻・伊保内の有坂昌剛主将は「締まった試合をやれて良かった。相手の気持ちも背負い、3回戦の久慈戦に臨みます」と話した。

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