高校授業料の実質無償化の所得制限撤廃、18歳以下への月5千円の支給、私立中学生への年10万円の助成など、東京都が次々と打ち出す教育・子育て施策をめぐり、隣接する3県が「著しい格差が生じている」として国に是正を求めた。子育て世代からは不満の声が上がり、専門家は「将来的にマイナスになる可能性がある」と指摘する。
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「全くファクトではない」。10日、記者会見で東京都の小池百合子知事は気色ばんだ。「行政サービスの違いは、プライオリティー(優先順位)の問題。財政力の格差を原因とする主張は、地方自治の否定につながる」
発言の引き金になったのは近隣3県の知事の行動だ。千葉県の熊谷俊人知事、神奈川県の黒岩祐治知事、埼玉県の大野元裕知事は7日、文部科学省や総務省を訪れ、自治体の財政状況によって子育て施策に格差が生じないように、国が措置を講じるよう求めた。税収が豊かな都が、目を引く子育て施策を次々と打つため、3県とのサービス格差が開くばかりだと訴えたのだ。
好景気で格差さらに拡大? 強まる懸念
3県が危機感を強めるきっか…