Smiley face

 同性婚ができない現行法は、個人の尊厳を著しく損なう不合理なもので、法の下の平等に反する――。「結婚の自由をすべての人に」と訴えた同性婚訴訟で、大阪高裁は3月25日、いまの民法などの規定は違憲と判断した。五つの高裁がすべて「違憲」と認める異例の展開だ。司法判断のステージは最高裁へと移っていくが、政治は動くのか。

渋谷区の条例から、国政の課題へ

 同性愛をめぐる人権問題が、国政の課題となったのは、この10年足らずのことだ。東京都渋谷区が2015年2月、同性カップルを公認するパートナーシップ条例をつくると表明したのが大きな契機となった。

 「希望となるニュース。わが国としても、同性カップルの生活上の困難を取り除いていく必要がある」

 直後の参院本会議で、野党議員がそう述べ、同性婚と憲法の関係を尋ねた。安倍晋三首相(肩書は当時)は「現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていない」と答弁した。

写真・図版
安倍晋三首相(当時)=2018年10月、首相官邸、岩下毅撮影

棚上げの背景「同性婚に触れれば……」

 翌月には超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」(会長=馳浩衆院議員)が、翌々月には当時の民主党の「LGBTに関する政策検討WT」(座長=西村智奈美衆院議員)が相次いで発足した。こうした流れに押されるように、自民党も16年2月、「性的指向・性自認に関する特命委員会」を立ち上げた。

 初代の委員長に就いたのは保守派のベテラン議員、古屋圭司・元拉致問題相(現・日本会議国会議員懇談会会長)だった。初会合で「同性婚を法律で認めようとする動きは、我々の健全な取り組みとは相いれない」と強調した。

 16年のうちにLGBT理解…

共有