報道陣の質問に答える広沢一郎・名古屋市長=2025年8月7日午後2時9分、名古屋市役所、大西英正撮影

 名古屋市の広沢一郎市長は7日、報道陣の取材に応じ、日本保守党名古屋支部長を退任したことを明らかにした。退任は6日付。

 広沢氏は4日の定例会見で、河村たかし・前名古屋市長が日本軍による略奪や非戦闘員殺害があった南京事件について「事件はなかったのではないか」と発言し、その後公的な交流が止まっている友好都市の南京市側に親書を届ける方針を明らかにしていた。これにネット上で批判の声があり、広沢氏は「市長として、長く続く友好都市を大事にしなければならないという立場もある」として、党本部に支部長退任を申し出て、受理されたという。広沢氏は昨年9月から支部長を務めていた。

 同党は6日、ホームページで「名古屋支部をいったん解散し再編する」と発表した。

 名古屋市は1978年、南京市と市民間の相互理解や友好親善を目的に友好都市となった。しかし河村氏が2012年、中国共産党南京市委員会の訪日代表団に、南京事件について「事件はなかったのではないか」と発言。その後、両市間の公式な交流が止まっていた。広沢氏は今月4日、「交流が途絶えているのは非常に不幸なこと」と述べ、交流再開への意欲を示していた。

 今後、広沢氏は同党員を継続するという。親書について、「予定通りお渡ししたい」と述べた。

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