【動画】劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」では、声を出せてペンライトでキャラクターを応援できる「応援上映」も開催された=御船紗子撮影
週刊少年サンデー(小学館)で連載中の漫画「名探偵コナン」を原作とする同名アニメシリーズは、29年間放送が続く人気作だ。劇場版も3作連続で興行収入100億円を超える。人気の理由を、アニメ文化ジャーナリストの渡辺由美子さんに読み解いてもらった。
「誰も置き去りにしない」
アニメの放送が始まった1996年から数年間、アニメ雑誌でコナン担当をしていました。当時からすごいなと思っているのは、「名探偵コナン」は誰も置き去りにしないつくりになっているんですよね。
まず子ども。小学生なら主人公の江戸川コナンや少年探偵団を見ますよね。女の子は小学校高学年くらいにはアニメを卒業してアイドルなどに関心を移しがちですが、コナンは女の子たちを放しませんでした。
99年の劇場版に、イケメンキャラの怪盗キッドが出てきます。この「キッド様」が女の子とお母さんの人気を集めました。同じイケメンキャラの工藤新一はたまにしか登場しない分、キッドとコナンの掛け合いは盛り上がりました。
男の子はコナンたちの活躍やアクションを見ます。お父さんやお母さんは推理モノ、警察ドラマ、人情モノとして作品を楽しみます。探偵の毛利小五郎や警視庁の若手捜査員たち、少年探偵団など、各世代を代表するようなキャラがいて、それぞれに見せ場が必ずあるので、どの世代にも刺さったんだと思います。
「太陽にほえろ!」「シティハンター」が完成度を上げた?
作品全体に大人向け要素が含まれているのもポイントです。
コナン君に敵対する「黒の組…