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JR野辺山駅前。駅舎の横に、メガネとちょうネクタイを着けた牛のモニュメントがあった=2025年7月27日午後2時28分、長野県南牧村、御船紗子撮影

 劇場版名探偵コナン「隻眼の残像(フラッシュバック)」(4月公開)の舞台となった長野県に、「聖地巡礼」の観光客が相次いでいる。長野県警の刑事というキャラクターが活躍し、本職の警察官も喜ばせた作品。観光客が増える夏休みに、地元は受け入れ態勢を整えている。

 「公開直後は県警中がコナンの話題でもちきりでした」と話すのは、県警の20代男性警察官。公開前から庁舎内にポスターが貼られていたといい、「ついに長野県警が登場するのかとひそかにうわさになっていた」という。

 自身も妻と見にいったといい、これまでの謎が解明されたことや、警察官用の通信端末が精巧に再現されていたことに驚いたという。「警察の誇りやかっこよさを感じる良い作品」と話した。

聖地巡礼 舞台に効果も

 その県警本部が入る県庁では、映画公開の4月18日から、原作者の青山剛昌さんのサイン色紙や映画のポスターなどを展示している。

 映画に登場した「国立天文台野辺山」(同県南牧村)によると、映画が4月に公開されて以降、来場者が急増。主人公の江戸川コナンの誕生日である5月4日には4470人が天文台を訪れ、1日の来場者数の過去最高を更新したという。不定期で、ジャケットに赤いちょうネクタイ、眼鏡をかけた所長がガイド役を担うツアーも行っている。

 南牧村では8月30日に祭りがあり、この日に天文台の特別公開も予定している。映画の天文台のシーンでは、パラボラアンテナを動かすために使われるレールの上を動く台車が登場する。有坂良人村長によると、映画公開当初はこの台車が「壊れていた」といい、映画を見て急きょ修理したという。「特別公開で動かしたい」と意気込む。

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