熊本工の田島圭介監督は、監督就任1年目の2019年夏に母校を全国選手権大会へ導いた。「古豪、強豪とよく言われ、不安の方が大きかった」と当時を振り返るが、甲子園での初戦は延長十二回に本塁打が飛び出し、初勝利を挙げた。
以後、21年と24年にも夏の甲子園大会に出場した。
勝利をつかむために、選手たちに日頃から伝えていることとは。
- 理不尽なルール、逃げ場なかった高校時代 熊本工の監督は母校を改革
私は選手たちに「試合終盤のための情報をしっかりと集めておこう」と言っています。
ただ、いつもうまくいくわけではありません。例えば、昨秋の熊本県大会の準決勝の有明戦。勝てば、選抜大会につながる九州大会への出場が決まる試合でした。
七回まで5―1とリードしていましたが、七回に2点を返され八回に4点を奪われて逆転負けしました。捕手が打撃妨害をし、外野手が打球を見失い……。そういうプレーが三つぐらい続いてノーヒットで2失点しました。
投手がイライラしているのが、ベンチからでもよく分かりました。投手交代をしましたが、走者一掃の打球を打たれ逆転されました。
スポーツは終盤になるにつれて、緊張感も増します。自分たちだけではなくて、相手も緊張しています。序盤の段階から、相手がどんな動きをするのか常に観察し、どのようにすれば終盤に自分たちの力が最大限に発揮できるかを考えることが大切です。
一方、私が熊本工の監督1年…