吹奏楽の強豪・光ケ丘女子高校吹奏楽部(愛知県岡崎市)が6月1日午後2時から、岡崎市民会館で地域の小中学生や社会人らとともにコンサートを開催する。
同校がこのコンサートを始めたきっかけは、コロナ禍だった。コンクールや演奏会が中止となり、開催されても無観客。練習も思うように出来なかった。
「吹奏楽の灯が消えてしまう」
卒業生の塩沢柚衣(ゆい)さん(24)は2022年5月、顧問の日野謙太郎教諭に相談。次代を担う小中学生らに演奏する喜びと本物の響きを体験してほしいと、地域の吹奏楽を応援するプロジェクトを立ち上げた。プロジェクト名は「CECIL(セシル)」。同校の吹奏楽練習棟「セシリアホール」にちなんで名づけられた。
同級生だった吉田杏美(あみ)さん(24)や後輩の渡辺愛さん(22)らがチラシやSNSなどで参加者を募集。部員らと週末などに練習を重ね、同年からコンサートを年3回ペースで開催してきた。
トロンボーンで今回のコンサートに出演する市立額田(ぬかた)中の太田智宏教諭(51)は、「コンクールに向けた練習といった普段学校で取り組んでいる活動以外の姿を見ることができ、参考になる」と話す。市は29年度をめどに部活動の地域移行を進める予定で、太田教諭はこの移行を視野に入れた取り組みとしても、CECILに期待する。
1日は、米アイオワ州のルーサー大学とのジョイントコンサートで、「ロマネスク」や「オペラ座の怪人」などを演奏予定。入場料は1千円で全席自由。問い合わせは光ケ丘女子高(0564・51・5651)へ。