吹奏楽コンクールの見どころといえば、華やかで壮大なクライマックスや、様々な楽器が高速で入り乱れる疾走感だ。だが、20日に行われた第72回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)高校の部では、あえて違った趣の曲に挑戦した高校もあった。2校はいずれも金賞。従来とは違った味わいを見せた。
岡山学芸館「オセロ」
金賞に輝いた岡山学芸館が自由曲で演奏したのは、アルフレッド・リードの「オセロ」。岡山学芸館がリードの作品を演奏するのは、2022年の「エルサレム讃歌(さんか)」、23年の「アルメニアン・ダンス パートⅡ」に続いて3年連続。指揮者の中川重則さんは「すっかり、リードの美しいメロディーのとりこになってしまった」と語る。
シェークスピアの悲劇を題材とした「オセロ」には、音楽的な魅力を感じる一方、コンクールの自由曲に選ぶかどうかは「ためらうところもあった」という。
一般的にコンクールの自由曲…