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 今年の全日本吹奏楽コンクール課題曲のうち、全日本吹奏楽連盟の委嘱作品として「メルヘン」を手がけた作曲家の酒井格さん(54)。自身も吹奏楽部員としてコンクールに出場したことがある。その経験を踏まえた、吹奏楽に打ち込む若者たちへのメッセージや、作曲の狙いを聞いた。

自由にストーリーを発想して

 ――タイトル「メルヘン」は、鈴木英史さんの「ジェネシス」や天野正道さんの「レトロ」といった過去の課題曲に触発されたそうですね。

 短く、覚えやすいタイトルにしようと思いました。特にコンクールの課題曲は、練習中も「じゃあ次は課題曲を」なんて言われたりして、曲名を覚えてもらえない場合が多い印象がありましたので。

 親しい指揮者の友人に冗談で「メトロにしようかな」なんて話していたのですが(酒井さんは鉄道好きで知られる)、「メ」で始まり、みんながパッとイメージできる単語として「メルヘン」を思いつきました。我ながら良いタイトルだと思います。

 ――童話やおとぎ話を意味するドイツ語ですが、特定の物語を想定して書かれたわけではないそうですね

 はい。特定のストーリーがあ…

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