【新潟】新入生を迎える春は大忙しだ。まずは部活動紹介での勧誘。体育館で1曲しか披露できないので、「格好良い曲」に絞って、名探偵コナンのメインテーマを選んだ。「サックスのソロもあるんです」
5月末に近くの公園で開催されるフェアでは、花にちなんだ8曲を演奏する。「選曲もまだ」「1年生には踊ってもらうので、振り付けも考えないと」
部長でフルート担当の細貝穂の香さん、副部長でアルトサックスの小川弥恵(ひさえ)さんとホルンの瀧川楓さん、顧問不在時に練習を進める「幹部」のクラリネット、間嶋紗弥さんとトランペット、山本あやのさんが口々に説明してくれた。
にぎやかで明るい部の雰囲気を代表するような、この新3年生5人は「リーダー」と呼ばれ、毎日相談しながら練習の内容を組み立てている。こうした方式は長年続いた伝統だそうで、昨年顧問に就いた高橋紫穂教諭は「いま何が足りなくて、何を練習しなければいけないかを自分たちで決められる」と部員たちの主体性に感心したという。
昨年の吹奏楽コンクール中学B(30人以下)の部で西関東大会まで進んだ。でも、チームの目標は大会成績ではなく、「音楽の感動を伝えよう」だ。「大会を終えて燃え尽きるのではなく、年間を通して気持ちを育んでいくため」と小川さん。細貝さんは「聞く人に感動してもらうには自分たちが楽しまないと。そのためにも技術を磨いておかなければ」と新学期を前に気を引き締めた。(白石和之)