兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県の前総務部長が告発者の元西播磨県民局長(故人)の公用パソコン内にあった私的情報を県議に漏洩(ろうえい)したと県設置の第三者調査委員会が認定したことが、県関係者への取材でわかった。第三者委の認定を受け、前総務部長の懲戒処分を検討する県の綱紀委員会が23日に開かれた。綱紀委の意見をもとに、斎藤知事が近く処分を判断する。
前総務部長の情報漏洩疑惑は、昨年7月に週刊文春が報じた。記事は、人事課を所管する総務部長(当時)が、元県民局長の公用パソコン内にあった告発内容とは無関係の私的情報を印刷してファイルにとじ、県職員や県議に見せて回ったと指摘した。斎藤知事は同9月の定例会見で「週刊誌報道で名前が挙がっている本人たちに聞いたところ、否定している」と説明した。
前総務部長は同10月、内部告発文書問題を調べていた県議会の調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問で事実関係を尋ねられ、「私は守秘義務違反と評価される違法行為は犯していないが、守秘義務違反に関係する質問なので証言は控える」「証言が手がかりとなって守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性が生じる」などと述べていた。
一方、2人の県議が百条委による同12月の聞き取り調査に対し、前総務部長から元県民局長の私的情報を見せられたり読み上げられたりしたとし、「告発文書の作成者が信用できない人間だと印象づけることが目的だったと思う」などと説明していた。
県は、前総務部長による情報漏洩に関する第三者調査委員会を設置。第三者委は今年3月末に県に報告書を提出したが、県は報告書の内容について、懲戒処分をするかどうかを決めてから可能な範囲で公表するとしている。