Smiley face
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山下重人さんの作品「使命とは己の命の使い道」=本人提供
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 筋肉が衰える難病、進行性筋ジストロフィーの画家・山下重人さん(52)の個展が、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで5日から始まる。指先のわずかな動きだけで描いた作品は、色鮮やかで、きらびやか。そこには、周囲への感謝の思いを込めているという。

 山下さんは1973年に宮崎県で生まれた。3歳のとき、祖父が歩行の異変に気づき、病院の検査を受けたところ、難病の進行性筋ジストロフィーと判明。父の仕事の都合もあり、リハビリを受けやすい環境で過ごすため、幼いときは四国で過ごしたという。

 7歳から夢は「絵描き」だった。車いすに座ったまま絵筆を握り、キャンバスに絵を描く日々。絵が評価を受け、受賞したことをきっかけに仙台市の障害者支援施設との縁が生まれ、仙台へ拠点を移すことになった。

 介護福祉士の資格を持つ妻と結婚し、介護を受けながら創作を続けた。だが、病状は進み、絵筆を握れなくなった。そこで、2001年からはわずかな指先の動きだけで、電子ペンとタブレットを駆使して絵が描けるCGの分野で制作に取り組むようになった。07年からはIT企業にも就職し、在宅勤務も続ける。

 約30年、仙台で家庭や職場、医療の場で支えを受け、感謝の思いが膨らんでいった。展示が少しでも恩返しになることを願い、毎年制作を欠かさなかったオリジナルカレンダーの挿絵から今回、展示作品を選んだ。

 今回の個展はCG画25点の…

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