智弁和歌山前監督 高嶋仁の目
(16日、第107回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦 和歌山工4―3熊野)
和歌山工と熊野の対戦は、両チームとも登板した2人の投手がしっかりと持ち味を発揮し、見どころのある好ゲームになりました。その中で積極的な打撃が上回った和歌山工に軍配が上がったと思います。
三回2死一、二塁のピンチで登板した和歌山工の山田竜也投手(3年)はいきなり逆転の2点適時三塁打を打たれましたが、その後は緩いボールをうまく使って熊野に得点を許しませんでした。リードした梶原倖成捕手(3年)のファインプレーだと思います。
七回の逆転打を放った和歌山工の山路太陽選手(3年)は、力のある新谷麻斗投手(3年)のボールに逆らわず右に打って二塁打にしました。山田投手の粘りの投球が呼び込んだのだと思います。和歌山工はこの回や序盤に得点した場面など、甘い球を見逃さない積極的な攻撃が目立ちました。この試合、失策は一つで、四死球は両チーム2個ずつと、守りもしっかりしていました。こういったゲームは時間を感じさせませんね。
和歌山工の次の対戦相手はこの日コールドで勝利した智弁和歌山です。山田投手が打たせて取る投球を意識し、低めのコントロールが定まってくると、智弁和歌山打線もなかなか崩すことはできないでしょう。おもしろい試合になりそうです。