東京都品川区は26日、区立小学校で始業前に小学校で子どもを預かる「朝の児童の居場所確保」事業を始めた。子どもが小学校の校門が開く時間まで、1人で過ごさなければならない「朝の小1の壁」の対策。区は今秋にも全37校に広げ、パンやおにぎりなど朝食の無償提供も今年度中に始めるという。
先行実施するのは戸越、源氏前、豊葉(ほうよう)の杜(もり)学園の3校。この日、報道陣に公開された戸越小学校では、午前7時半から多目的室を開放した。事前に登録した29人のうち、1~5年の計13人が利用した。
子どもたちは、シルバー人材センターから派遣された支援員2人が見守る中、勉強をしたり、遊んだりと自由に過ごしていた。1年生の勝山なな実さん(6)は「朝早く学校に来て楽しかった。国語と算数の勉強ができた」と笑顔を見せた。
川田重久校長によると、以前は開門する午前8時前に保護者が校門前に児童を一人で待たせるケースもあったという。川田校長は「生活様式や価値観が多様化する中、様々な家庭に対応できる取り組みだと思う。メリット、デメリットがある。先行実施することで課題が明らかになればいい」と話した。視察した森沢恭子区長は「朝の小1の壁問題を、行政としてしっかりサポートしていきたい」と語った。