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地球会議2024で講演する品川区の森沢恭子区長=東京都中央区
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 東京都品川区の森沢恭子区長は26日、親が働くなどして朝の居場所がない子どものために、区内の区立小学校、義務教育学校の全37校で朝の学童の創設を検討していることを明らかにした。そのうちの数校で朝食を無料で提供するモデル事業も検討するという。

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 都内で開かれた「朝日地球会議2024」で、「ウェルビーイング(心身の健康や幸福)な社会の実現に向けて」と題した講演で明らかにした。「来年度から朝の居場所作りと無償の朝食支援にチャレンジしたい」とした。

 森沢区長は、子どもが小学校に進学すると、「保育園より登校時間が遅くなり、親の出勤に影響し仕事を続けにくくなる朝の小1の壁がある」と指摘。親が出勤した後に、子どもが登校時間まで一人で過ごし、さらに朝食を食べない子どもも一定数いるとした。

 森沢区長は、区内在住の大学生に対して、所得制限がない給付型の奨学金制度の創設も検討することを表明した。対象は100人規模で、授業料の一部を給付する仕組みを考えているという。いずれも来年度予算案の編成で盛り込む方針だ。

 区では、区立小中学校の学校給食費無償化のほか、今年度から学用品の無償化などを独自に実施している。森沢区長は取材に「親の経済状況や生まれた環境によらず、地域社会が支えていくことは重要だ。本来は国がやっていくべきだが、まずは品川区から第一歩を踏み出していきたい」と話した。(野田枝里子)

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