米や野菜・果物を流通業者を介さずに購入できる直売所は、「生産者の顔が見える」と人気が高い。どのような仕組みなのか。生産者はどんなことを考えながら値段を付けているのか。千葉県の直売所で聞きました。

直売所の開店前に生産者が野菜を並べていた=2025年4月12日午前8時16分、千葉県東金市の「みのりの郷東金」、沼田千賀子撮影

細めのアスパラ「やわらかくて食べやすい」

 4月中旬の土曜日。千葉県東金(とうがね)市にある道の駅「みのりの郷(さと)東金」には、午前7時半ごろから生産者が次々とやって来た。野菜や果物を運び入れ、自分たちで棚に並べていく。

 葉つきの大根や若いトウモロコシを収穫したヤングコーン、さまざまな品種のイチゴ……。産地に近い直売所ならではの農産物もあれば、大きさや形がふぞろいの野菜もあった。

 スーパーで見かけるより細いアスパラガスは、少し低めの値がついていた。みのりの郷の担当者は「細いアスパラはやわらかくて食べやすいですよ」。生産者から直接、野菜の出来や食べ方を聞き、買う人に伝えられるのも直売所の強みだ。

 東金市は都心から約60キロ、県中央部にあり米や野菜作りが盛んな地域。みのりの郷を運営するのは第三セクターの「東金元気づくり株式会社」で、2023年度の売り上げは併設するレストランと植木・花売り場も含めて約9億5千万円に上る。うち直売所が約7億8千万円を占める。

手数料は売り上げの15%

生産者には直売所から売り上げ情報のメールが届く=2025年4月24日午前8時48分、千葉県東金市の「みのりの郷東金」、沼田千賀子撮影

 24年3月末時点で、農産物…

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