米や野菜・果物を流通業者を介さずに購入できる直売所は、「生産者の顔が見える」と人気が高い。どのような仕組みなのか。生産者はどんなことを考えながら値段を付けているのか。千葉県の直売所で聞きました。
細めのアスパラ「やわらかくて食べやすい」
4月中旬の土曜日。千葉県東金(とうがね)市にある道の駅「みのりの郷(さと)東金」には、午前7時半ごろから生産者が次々とやって来た。野菜や果物を運び入れ、自分たちで棚に並べていく。
葉つきの大根や若いトウモロコシを収穫したヤングコーン、さまざまな品種のイチゴ……。産地に近い直売所ならではの農産物もあれば、大きさや形がふぞろいの野菜もあった。
スーパーで見かけるより細いアスパラガスは、少し低めの値がついていた。みのりの郷の担当者は「細いアスパラはやわらかくて食べやすいですよ」。生産者から直接、野菜の出来や食べ方を聞き、買う人に伝えられるのも直売所の強みだ。
東金市は都心から約60キロ、県中央部にあり米や野菜作りが盛んな地域。みのりの郷を運営するのは第三セクターの「東金元気づくり株式会社」で、2023年度の売り上げは併設するレストランと植木・花売り場も含めて約9億5千万円に上る。うち直売所が約7億8千万円を占める。
手数料は売り上げの15%
24年3月末時点で、農産物…