長野市と言えば、善光寺を思い浮かべる人は多い。その境内を抜けて東に向かうと、大きなガラス窓が並ぶ建物が目に入ってくる。長野県立美術館だ。
【撮影ワンポイント】街や自然と調和した「ランドスケープ・ミュージアム」
信州の豊かな自然に溶け込む美術館の姿を撮ろうと、山の稜線(りょうせん)がくっきりと見える晴天の日を狙い、撮影に臨んだ。敷地内にある、中谷芙二子氏の作品「《Dynamic Earth Series I》霧の彫刻 #47610」。画面に人物を配置することで、雲海のように広がる霧を強調し、全体的に色調をやや青くすることで、涼しげな印象に仕上げた。(竹花徹朗)
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市の中心部、1900(明治33)年に開設された城山(じょうやま)公園の一角にある。中に入ると、窓の向こうに遠くの深緑が見える。光も差し込んで、展示作品の一つのようだ。
地上3階地下1階建ての建物は、約10メートルある地盤の高低差を生かし、入り口が公園や道路とつながっている。屋上広場「風テラス」からは、目線の高さに善光寺本堂(国宝)の檜皮(ひわだ)ぶき屋根と、信州の山並み。地元の人もなかなか見ることがないという光景が広がる。
白い霧が風に吹かれて…
1966年に開館し、老朽化…