高田純次さん=菊池康全撮影
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 芸能界一の適当男もついに喜寿。高田純次さんが、新著「最後の適当日記(仮)」(ダイヤモンド社)を出した。「タレントさんの終活本は売れます」という編集者からのささやきに、ふざけやがって!と一度は思ったものの「欲に目がくらんだ」という。ふたを開けると終活とはほど遠く、情けない日常や芸能界の荒波を生き抜いてきた適当人生論が詰まった一冊になった。

 適当は最強の免罪符である。

 還暦を機に16年前に出版した「適当日記」に出てきたテーマと驚くほど変わっていない……。車のタイヤをスタッドレスに交換するか否か、イボ痔(じ)、老いと下半身事情。あまつさえ、何日か分は前作と全く同じ文章をつづっている。老いては知恵がつくという一般常識をすり抜けるのが日本一の適当男なのだ。

 「毎日そんなに新しいことはないし昔のことなんてみんな覚えていないんだから、前の日記をそのままタイトル変えて出しゃいいじゃないって編集者には言ったんだけどね」

 紙と電子版あわせて20万部のベストセラーだった前作から最も変わったことと言えば、大谷翔平の活躍にしつこく言及することだ。本の4分の1は大谷。「いや、本当に彼はすごいよね。だからオレも練習して大谷のサインをほとんど同じように書けるようになったよ」

 愛人とすしをつまむ話だのバ…

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