若葉が風に揺れる初夏の四万十川に、高知県四万十市の具同小学校の4年生62人が24日、アユの稚魚約4400匹を放流した。

 アユは体長10センチほど。「元気に育ってね」「また帰ってきてね」。児童らは川辺までバケツを運ぶと、声をかけながらそっと傾けた。稚アユはきらめく水面へと泳ぎ出した。朝比奈春奈さん(9)は「アユがとてもかわいかった。病気しないで大きくなって、また四万十川に帰ってきてほしい」と笑顔を見せた。

 地元の四万十川中央漁業協同組合によると、放流活動は10年ほど前に始まった。5月15日のアユ漁解禁を前に、漁協管内で計約7万匹の稚アユを放流する予定だ。

 大木正行組合長は「昨年はアユの姿が少なかったが、ことしは遡上(そじょう)する魚影も例年より濃く、期待が持てそうです」と話していた。

共有
Exit mobile version