弘法大師(空海)ゆかりの88カ所の霊場を巡る四国遍路で、外国人の姿が目立つようになった。背景には、訪日外国人の急増だけでなく、四国と世界をつないできた人たちの存在がある。
外国人遍路の「元祖」の一人とされているのが、愛媛大学の前身、旧制松山高等学校で教授を務めたドイツ人のアルフレッド・ボーナー(1894~1958)だ。
日本人と同じように宿坊などに寝泊まりしながら88カ所を回り、1931(昭和6)年、ドイツ語で「同行二人の遍路」を出版。欧州に四国遍路を伝えた。
そして、現代。カナダ出身の歴史家、モートン常慈(じょうじ)さん(56)=徳島市=が遍路の魅力を世界に発信している。
2人の縁は、この四国を舞台につながった。
四国遍路を研究して26年
初来日から37年、遍路を研…