火の粉が風にあおられ、四方八方に飛んでいく。愛媛県今治市で23日に発生した山林火災は27日も延焼が拡大した。「飛び火」により延焼先は読みづらい。厳しい状況のなか、鎮圧に向け夜通しの消火活動が続く。
- 春先に相次ぐ山林火災、年間1000件超 林業衰退や過疎化が要因に
瀬戸内海に面した今治市の海岸線近くを走るJR予讃線。伊予桜井駅前に住む長野誠さん(65)は25日昼すぎ、用事を済ませて帰宅すると、駅周辺の異変に気づいた。
駅舎の背後から灰色の煙が立ち上っている。駆けつけると、枯れ草が燃え、火がホームに迫る。現場にいた消防団員に消防車の手配を頼むと、「方々で燃えてるけん、手が回ってない」。
30分ほどしてポンプ車が到着し、駅舎への延焼は寸前で防げた。だが同じ時間帯に駅近くのハウスメーカーの工場で発生した火災は消火活動が追いつかず、全焼した。
大規模火災につながる「飛び火」 なぜ起きた?
現場の指揮本部にいた消防団…