囲碁の世界メジャー棋戦「第10回応氏杯」決勝五番勝負の第3局が8日、中国・上海で打たれ、日本の一力遼棋聖(27)が中国の謝科(しゃか)九段(24)を破り、第1局から3連勝のストレートでシリーズを制した。
- 日本囲碁界、中韓に引き離された19年 一力の世界一で航路切り開く
日本を拠点にする棋士のメジャー制覇は、2005年「LG杯」の張栩(ちょうう)九段(44)以来19年ぶり、日本人に限れば1997年「富士通杯」の小林光一九段(71)以来27年ぶりとなる。かつての囲碁最強国・日本は今世紀に入って長く中国、韓国の後塵(こうじん)を拝してきた。世界タイトルの奪還は日本囲碁界の悲願だった。
一力は棋聖、天元、本因坊の国内3タイトルを保持する日本の第一人者。現在、棋聖と並ぶ大タイトルの名人獲得をめざし、ライバルの芝野虎丸名人(24)と七番勝負を争い、2勝0敗とリードしている。(上海=大出公二)