第50期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は17日、許家元(きょかげん)九段が余正麒(よせいき)八段に281手までで白番1目半勝ちし、星を2勝2敗の五分に戻した。余は今期リーグで初めて土をつけ、2勝1敗に。挑戦者争いから一歩後退した。
剛腕を誇る両者だが序盤からにらみ合いの状態が続き、戦いらしい戦いのないまま終盤のヨセ勝負に移った。しかしここから互いの陣地の境界線をめぐるぎりぎりの駆け引きのなか、大コウ含みの難解な攻防に突入。余がうまく立ち回って抜けだしたかに見えたが、形勢は依然として半目勝負で、粘る許は中央に予想以上の陣地をつけて逆転した。
余が土をつけたことにより、無敗は初リーグの福岡航太朗七段(4勝0敗)と井山裕太王座(3勝0敗)のふたりだけに。余は4月、福岡と挑戦者争いの生き残りをかけて直接対決。許は前名人の芝野虎丸九段(1勝1敗)と対戦する。