囲碁名人リーグ、初戦にして「天王山」　井山王座が芝野九段を破る

　12月に開幕した囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦（朝日新聞社主催）は、26日にともに優勝候補の芝野虎丸九段と井山裕太王座が激突。初戦にして天王山ともいえる一局は井山が制し、名人挑戦に向けて大きなアドバンテージを獲得した。

　開幕早々、勝ったほうが本命に躍り出ると見られた大一番は、井山が十八番の大石のシノギ勝負に持ち込み、鮮やかにシノぎ切った。芝野とは今年、十段戦、碁聖戦、王座戦の三つの番勝負で相まみえ、すべて制した勢いそのままに名人戦でも凱歌（がいか）をあげた。

　年明けの棋聖戦七番勝負で、一昨年に棋聖10連覇を阻まれた一力遼に挑戦する。棋聖戦に並ぶ大棋戦の名人戦でも、タイトル奪還に向けて大きな一歩を踏み出した。