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リーグ最年長、最多出場中の山下敬吾九段は、手痛い4敗目を喫した=1日、東京・市ケ谷の日本棋院

 第50期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は1日、関航太郎九段が山下敬吾九段を破り、5戦目にしてリーグ初白星を挙げた。スコアは敗れた山下と同じ1勝4敗となり、厳しいながらも残留に望みをつなげた。

 立ち上がり、関が山下の剛腕をいなし、巧みな打ち回しでリードした。山下は地合いで大きくリードされ、さりとてパンチの入る戦場も一見して見当たらない。山下厳しいかと思われたが、左辺の関の白陣の地中に深々と打ち込む勝負手を放ち、生きれば白の一団を生死の淵に追い込む大コウ争いに持ち込んだ。

 この時点で、一時は7%まで落ち込んでいた山下のAIの評価値は一気に50%まで挽回(ばんかい)。形勢を振り出しに戻したが、コウ争いのフリカワリが物足りなかったか。コウを譲って左辺の白を生かす代わりに、白の勢力圏であった下辺で白石数個を取り込み根づいたが、形勢は再び関に傾き、その差が縮まることはなかった。

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