図書館で本を探すときに、AI(人工知能)が手助けしてくれるサービスが広がり始めている。書名や著者名を手がかりにする、これまでの探し方とは違うやり方で探し出すのが特徴だ。新たな本と出会う可能性が広がると注目されている。一方、「本との出会い」を導いてきた司書の仕事に影響はないのか。
司書が、その知識や技術を披露するコンテストがある。司書の英語表記「Librarian」の頭文字をとって、その名も「L1-グランプリ」。昨年末の大会では、本選に出場した4人の司書に交じって、ゲスト参加した国内のベンチャー企業が開発した「AI司書SHIORI(シオリ)」が、提案や質問の力を競う一幕があった。
AI司書が力を発揮したのは、早押しで本を特定する問題だった。
「映画化された恋愛小説なのですが、タイトルがわからなくて……」
利用者役が相談を投げかけた。
「三角関係か」
「ドラマ化もされたか」
「舞台は日本か」
司書とAI司書が質問を重ねていく。
司書が回答を間違えた後だった。
「わかりました」とAI司書…