自治体の地方債(借金)は減って積立金(貯金)が増えている

 コロナ禍で多額の借金を重ねた国とは対照的に、自治体の財政は改善した。貯金にあたる積立金は過去最高を記録し、借金である地方債の残高は減っている。なぜ、国と地方で「ねじれ」が生じたのか。その原因とみられるのが、政府が自治体に配った地方創生臨時交付金(コロナ交付金)だ。

 「交付金は常識外れなほど自治体に有利な仕組み。これを最大限活用しない手はなかった」。ある西日本の中核市の幹部は、こう打ち明ける。

 国の資金で事業を行う場合、一般的には費用の一部を自治体が負担しなければならないが、コロナ交付金なら自己負担無しでできる。この幹部は「いかにコロナと関連があるかの理由をつけ、交付金を使い切ることに知恵を絞った」と話す。

 代表的なケースが、老朽化し…

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