大阪府東大阪市の山中で国土交通省職員の神岡孝充さん(52)=大阪市中央区=の遺体が見つかった事件で、神岡さんの死亡後とみられる1月、コンビニエンスストアのATMで神岡さんの口座から現金が引き出されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
防犯カメラには、神岡さんと同じマンションの住人で無職の大木滉斗容疑者(28)=死体遺棄容疑で逮捕=と似た人物が現金を引き出す様子が映っていたという。府警は、大木容疑者が神岡さんの死亡の経緯などについても知っているとみて、殺人容疑も視野に調べている。
- 死亡の国交省職員から「結婚の報告あったばかり」 約束かなわぬまま
- 国交省職員、海外の妻に会いに行く直前に遺棄されたか 東大阪の遺体
捜査関係者らによると、神岡さんは航空管制官らを養成する航空保安大学校(大阪府泉佐野市)の会計課長。昨年12月27日午後3時ごろに在宅勤務を終えた後、海外にいる妻に会うために渡航予定だったが、予約した便に搭乗しておらず、連絡も取れなくなった。
親族からの捜索願を受け、警察官が今年1月初旬に神岡さん宅を調べたところ、旅行の荷物などは置かれたままで、荒らされた形跡も確認されなかったという。
だがその後、神岡さんの周辺を詳しく調べると、1月10日に大阪市内のコンビニのATMで、神岡さん名義のキャッシュカードで現金が引き出されていたことが判明。コンビニの防犯カメラには、大木容疑者と似た人物が現金を引き出す様子が映っていたという。
府警によると、神岡さんの遺体は1月25日に東大阪市の山中で発見され、司法解剖の結果、死亡推定時期は昨年12月下旬とされた。大木容疑者の逮捕容疑は、神岡さんの生存が最後に確認された翌日の昨年12月28日ごろに遺体を遺棄したというもの。容疑を認めているという。