奈良県明日香村の飛鳥坐(あすかにいます)神社に伝わる大型の鏡について、奈良文化財研究所と奈良国立博物館が共同で調査し、国内最大級の青銅鏡であることが明らかになった。同神社などが21日発表した。江戸時代の大型鏡の鋳造技術や、江戸~明治時代の飛鳥坐神社の信仰のあり方などを考える貴重な成果として注目されそうだ。
神社によれば、鏡は「神鏡」として明治時代から拝殿に掛けられてきたが、1975年ごろから旧社務所に、さらに2020年には新社務所に移された。21年からは新調した雲台(うんだい)に掛けて置かれている。
神社は鏡の移転にあたり、奈文研に調査を依頼。奈文研と奈良博が20年12月~21年5月に金属組成を調べる蛍光X線分析や写真撮影などの総合的な調査を実施した。
奈良博の中川あや広報室長(考古学)によれば、全長141・8センチ、鏡面の直径122センチ、柄の長さ19・8センチ、重さ260キロ。銅と錫(すず)を主成分とする鋳造された青銅鏡と判明した。
鏡の来歴も明らかに
鏡の背面や柄の計5カ所に…