商船の建造量で国内トップの今治造船(愛媛県今治市)は26日、同2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)への出資比率を30%から60%に引き上げ、子会社化すると発表した。JMUに35%ずつ出資しているJFEホールディングス(HD)とIHIから一部買い取る。過半数を握ることで経営を主導する方針だ。
JFEHDとIHIからの買い取り金額は公表していない。JMUは、日本の重工大手が切り離した造船事業が統合してできた。ルーツは、日立造船(現カナデビア)と日本鋼管(現JFEHD)、IHI、住友重機械工業の4社。
今治造船は2021年にJMUに資本参加した。JMUには重工大手の技術が集まる。両社で設計や営業を担う子会社も設立し、関係を強化してきた。今回、JMUの経営を主導することで、船の建造でも相乗効果をねらう。
世界の船の建造量は中国が約半分、韓国が約3割を占める一方、日本は2割弱に低下している。今治造船は「今まで以上にお互いの強みをいかし、中国・韓国と伍(ご)していくことに加えて、経営でもより迅速で総合的な判断を行う」とした。