大阪府和泉市は14日、弥生時代の集落跡で国の史跡となっている「池上曽根遺跡」の土地の一部が何者かに掘削され、大量の樹木が埋められていたと発表した。大阪府警に被害の相談をしており、府警は文化財保護法違反の疑いで捜査している。
池上曽根遺跡は、和泉市と泉大津市にまたがる大規模な環濠(かんごう)集落跡。1976年に環濠に囲まれた範囲を中心とする約11.5ヘクタールが国の史跡に指定された。
管理する和泉市によると、史跡全体のほぼ中央付近に位置する場所の土地が南北18.5メートル、東西28メートルにわたって深さ1.5~2メートルほど掘削され、近しい年代に伐採されたとみられる大量の樹木が埋められていた。
昨年6月5日に、一部が公園となっている遺跡をさらに整備していくための発掘調査の際に見つかったという。
文化財保護法では、史跡の現状変更には文化庁長官の許可が必要と定められており、同法違反にあたる可能性がある。
和泉市教育委員会は「毀損(きそん)が見つかったことは大変遺憾。今後、再びこのようなことが起きないよう再発防止につとめる」としている。