校門をくぐると、1年前とは景色が違っていた。一番大きかった校舎は廃材の山になっていた。
この学校には他に行き場のない子が大勢いたはずだ。あの子たちはどうなるのだろうと、不安が募った。
- 移民の子を拒まない タイの「ミャンマー人の町」で校長が語った思い
タイ中部マハチャイのワット・シリモンコン小学校。老朽化も限界で、安全のために本校舎が解体されたが、自治体の予算が足りず、再建のめどが立たない。
隣国ミャンマーからの移民労働者が多い水産業の町で、移民の子を「誰ひとり拒まない学校」として知られる。その取り組みを昨年取材した。その後、ミャンマー各地で国軍と少数民族武装組織などとの戦闘が激しくなり、戦火を逃れたミャンマー人の流入が急増していると聞いて、7月に再訪した。
700人以上が通うが、残っ…