ホストファミリーで作ってもらった弁当を食べながら写真を撮る日豪の生徒たち=2024年9月20日午後1時0分、成田国際高校、小林誠一撮影

 コロナで途絶えた、日本と海外の生徒の交流が戻りつつある。国際科のある県立成田国際高校(成田市加良部)では今、豪州の姉妹校から生徒20人と教員3人が10日間の予定で滞在している。豪州の生徒たちは、成田国際の生徒宅にホームステイ。6年ぶりの伝統の復活に喜んでいる。

 「明日は、どこが楽しみ?」。20日、成田国際で午前の授業を一緒に受けた後、日豪の生徒たちが、日本の家庭でつくられた弁当を食べながら、談笑していた。翌日は土曜日。豪州の生徒たちは渋谷、原宿、浅草の東京観光に行くのだ。

 初来日のオードリーさん(17)は「豪州では学校の昼食はバラバラ。『いただきます』と言って、みんなで食べるのが楽しい」。ともに3年生でホストファミリーとして受け入れた、斉藤芽衣さん(18)は「ささいなことでも喜んでくれる。うれしい」、篠田一葉(ひとは)さん(17)も「家では靴を脱ぐといった日本の習慣を体験してもらえるのは、こうした機会ならでは」。皆が充実した表情だ。

 16~25日で滞在するのは、ビューバンク・カレッジの生徒たち。一緒に授業を受け、豪州の生徒たちは、書道や茶道といった、日本ならではの部活動も体験した。

 両校は2002年の姉妹校協定締結以来、生徒が互いに訪問し、友好関係を育んできた。だが、18年の受け入れ以降はコロナ禍に。相互訪問は中断せざるを得なかった。

 「本校は国際交流がしたくて入学する生徒が多い。機会のないまま卒業した代もあり、やりきれなかった」。過去にも約10年間、同校で勤務した福水勝利校長は、振り返る。6年ぶりの復活に、「プレゼントするものをつくっている生徒の姿を見ると、本当にありがたい」と目尻を下げた。

 成田国際は、普通科の成田西として1975年に開校し、87年に英語科を新設。92年に校名変更と同時に国際教養科も新設され、06年には英語・国際教養を統合して国際と普通の2科体制になった。普通科も「幅広い分野の教養と国際感覚」を学科目標に掲げており、今では志願倍率で県内有数の人気校だ。

 姉妹校は豪州、韓国、台湾、米国で5校ある。一部では交流が戻りつつあるという。ほかにも随時、留学生の受け入れをしている。本常栄治教頭は「保護者の理解もあって受け入れ態勢が整っている」と話す。(小林誠一)

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