人事院は8日、2024年度の国家公務員の給与について、行政職で月給を1万1183円(2・76%)引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給の引き上げ幅が1万円を超えるのは1991年以来33年ぶり。ボーナスは0・10カ月分多い4・60カ月分とした。定期昇給分を合わせた賃上げ率は4・4%。民間企業の歴史的に高い賃上げが公務員にも波及する。
8日午前、川本裕子人事院総裁が岸田文雄首相に勧告を手渡した。対象は、検察官や自衛官らをのぞく国家公務員約28・5万人。
月給とボーナスの引き上げは3年連続。今回の月給の引き上げ幅は、3869円(0・96%)だった23年の勧告の約3倍となる。
勧告通りに引き上げられれば、行政職の平均月給は41万6561円、ボーナスを含む平均年収は22万8千円(3・4%)増の691万6千円となる。
共働き世帯の増加を踏まえ、勧告には「配偶者手当」の廃止も盛り込まれた。年収130万円未満の配偶者がいる職員に支給される月3500~6500円の扶養手当を26年度までに廃止し、代わりに子ども1人当たり月1万円の扶養手当は3千円増額する。配偶者手当は、女性の就労を妨げる一因との指摘があり、人事院は「配偶者の働き方に中立な制度に向かう社会状況の変化に対応する」としている。
一方、優秀な人材を採用しや…