人事院は7日、2025年度の国家公務員の給与について、行政職で月給を3.62%(1万5014円)引き上げるよう国会と内閣に勧告した。引き上げ幅が3%を超えるのは1991年以来。公務員のなり手不足に対応するため基準を変更し、民間企業で進む高い賃上げを公務員給与に波及させる。
勧告の対象は、自衛官や検察官らを除く国家公務員約28万4千人。勧告通りに引き上げられれば、行政職の平均月給は42万9494円になり、定期昇給分を合わせた賃上げ幅は5.1%となる。
勧告は、人事院が国家公務員と基準となる民間企業の4月時点の月給水準を調査して比較し実施する。今回から、公務員の人材確保を進めるため、対象の民間企業の規模を、従来の「従業員50人以上」から「100人以上」に変えた。中央省庁の職員は対象を「500人以上」の企業から「1千人以上」に変更した。
初任給も大幅に引き上げ、中央省庁の総合職(大卒)は30万1200円と、初めて30万円を超える。中央省庁の幹部職員に対して、新たに月5万1800円の業務調整手当を支給することも盛り込んだ。
ボーナスは年間0.05カ月分引き上げ、4.65カ月分とした。月給とボーナスの引き上げは4年連続となる。