7月の参院選で、山形選挙区の投票率は62・55%と、都道府県別で全国トップだった。実は山形は、2017年の衆院選以降の国政選挙で「6連覇」を誇る。その理由に迫った。
直近8回の国政選挙の投票率をみると、全国平均は48~58%台で推移。一方、山形はほぼ60%を上回る=グラフ。14年衆院選は全国3位、16年参院選は2位、その後は1位が続く。
山形県選挙管理委員会の担当者はこれまで何度もその理由を尋ねられているが、「正直、理由はわかりません。まじめな県民性と言っても、そうしたところは他にもあるでしょうし……」。
「5連覇」となった24年の衆院選で、山形県の吉村美栄子知事はその要因を会見で問われた際、3世代同居率の高さを挙げた。祖父母世代の習慣を受け継ぐ環境があるのではないか、との仮説だ。
1990年以降の国勢調査で、山形県の3世代同居率(祖父母・親・子)はずっと全国1位だ。県選管は、子連れや家族ぐるみでの投票を呼びかけてきたが、それが功を奏したともされる。
昨秋の衆院選後、県選管が高校3年生を対象にしたアンケート(39校、回答1116人)では、投票した生徒のうち、「家族と行った」との回答が約85%を占めた。また、「小さい頃に親の投票について行った」と回答した生徒の約8割が実際に投票をしていた。
山形大の中島宏教授(憲法学…