選挙

 今夏の参院選に向けて、山形選挙区(改選数1)では、4人が立候補の準備をしている。国民民主党などが推薦する無所属の現職に、自民党、共産党、参政党がそれぞれ公認する新顔の3人が挑む構図になりそうだ。

 「6年前、『なんとがさんなね(何とかしなければ)』との思いで政治の道に挑んだが、その思いは今ますます強くなっている」。17日、現職の芳賀道也氏(67)は、山形市での後援会事務所開きで声を張り上げた。

 6年前の当選から145回、国会で質問してきた。政党には属していないが、国会の会派「国民民主党・新緑風会」に所属。国民民主党が主導した「年収103万円の壁」の引き上げやガソリンの旧暫定税率の廃止などを実績として挙げている。

 今回も無所属で出馬するが、国民民主党の推薦を受ける。16日に山形市内であった党の県連大会では、山形を「最重点選挙区の一つ」と位置づける玉木雄一郎代表の激励を受けた。

 自民党は昨年6月、元県議の大内理加氏(62)を公認候補に決めた。今月11日に山形市であった後援会事務所開きには、衆院山形1~3区を独占する国会議員のほか、佐藤孝弘・山形市長ら市町村長も参加した。

 大内氏は「地方の人たちの暮らしを守り抜く。そのためには政治の安定が必要。安定政権を確立するため、使命を果たしていく」と訴えた。

 公約には、物価高騰対策として一時的に補助金を支給することや、国が政策的に人の流れや企業を地方に向ける「分散型社会」の実現を盛り込んだ。

 2021年の知事選、22年の参院選で敗れた大内氏は「三度目の正直」を掲げる。19年から遠ざかっている参院山形選挙区の自民の議席奪還を狙う。

 19年の参院選は、芳賀氏が野党4党の推薦を受け、事実上の与野党一騎打ちだった。今回、立憲民主と連合の県組織は芳賀氏の支援を決めたが、共産党は独自に三井寺修氏(45)を擁立する。

 3月の記者会見で本間和也・共産党県委員長は「(立憲民主党などから)共闘の意思が示されておらず、今後変わっていく可能性も難しい」と判断の理由を話した。

 三井寺氏は労働組合の専従職員などを務め、昨年の衆院選では党公認で山形1区に立候補した。街頭演説などで「自公政権の延命を手助けしている政党に日本の政治を任せることはできない」と国民民主党を批判。格差是正や最低賃金の1500円への引き上げなどを公約し、比例区での議席増をめざすと訴える。

 参政党の佐藤友昭氏(52)は、昨年9月に党の政治塾に入った。「政治とは縁のない生活だった」が、政治に民意が反映されているかを疑問に思うようになったという。今年1月、参院選の立候補予定者になった。

 街頭演説では「弱い立場や困っている国民の民意を反映する政治にしたい」と訴え、積極財政と減税などを掲げる。

 一方、今年1月の知事選で5…

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