Smiley face
写真・図版
国民民主党の榛葉賀津也幹事長(右)に要請書を手渡す連合の清水秀行事務局長=2025年5月9日午前8時9分、国会内、安倍龍太郎撮影

 「私たちとすれば労働者の代表の党という思いで応援させていただいている」

 多くの労働組合を束ねる連合の清水秀行事務局長が9日、国民民主党との会合でこのように言及する場面があった。連合と国民民主との間にすきま風が吹く中、参院選を前に改めて結束を呼びかけたものだが、支持層を広げて勢いに乗る国民民主側の反応は――。

  • 「いいね」で変わる政策 連合、玉木氏らに不満「SNSばかり見て」

 清水氏らはこの日、中小企業の支援強化や雇用の安定などの重要政策を要望。国民民主側は榛葉賀津也幹事長ら多くの幹部たちも出席した。清水氏はあいさつの中で「私たちは御党を長く応援させていただいている」とも強調。最大の支持団体としての貢献を改めてアピールした。

 これに対し、榛葉氏は「これからもご指導たまわりますよう、お願い申し上げます」と応じた。

 選択的夫婦別姓の導入などをめぐり、方針の違いが表面化するなど、最近は国民民主と連合との間で距離が生じている。長く連合の支援を柱としてきたものの、今はSNS上の保守的な無党派層に軸足を向ける国民民主に対し、連合幹部からは「選挙に勝って調子に乗っている」「SNSばかり見て、それに引っ張られている」などの不満が漏れるようになった。

 清水氏の発言の背景について、連合幹部の一人は「国民民主とはケンカをしているわけではないが、この機会にきちんと連合の考えを分かってほしいとの思いからだろう」と解説する。

 一方、国民民主側はどうか。この日、出席した同党議員の一人は「俺たちは労働者だけの党じゃない」と反発。そのうえで「俺たちはみんなを代表する党だ。労働者だって若者だって、何だって代表してる」と主張した。改めて両者の溝がにじむ会合となった。

共有