校庭の隅で行われていた国語の授業。胡銘浚校長は児童たちの様子を見ていた=2023年11月28日、台湾・新北市の興穀小、岡田玄撮影
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 台湾の小学校で、屋外に出て子どもの近視の発症を予防する取り組みが成果を出している。近視は将来の目の病気のリスクを上げる。日本でも近視の子どもは多く、専門家は早期の予防対策を訴える。

 台北市近郊の新北市立興穀小学校。休み時間、校庭で遊ぶ児童のはしゃぐ声が響く。6年生の陳聖叡さん(11)は「家ではゲームばかりで、外では遊ばない。学校で外に出るのは楽しい」と笑う。

 授業のチャイムが鳴った。だが、児童たちは教室に戻らない。教員も校庭に出て、木陰で国語や算数の授業が始まった。

 胡銘浚校長は「体育だけでなく、国語などの授業も屋外でやるよう教員に奨励している。すべての休み時間計90分に授業を組み合わせ、1日120分の屋外活動を達成できるよう頑張っている」と話す。

 台湾では1990年代、子どもの近視が問題となった。日本の文部科学省にあたる教育部は99年、「学童視力保健計画」を策定。児童の視力悪化を防ぐため、毎日120分間を屋外活動に充てる取り組みを続けてきた。

近視予防に屋外授業 その効果は

 これまでの研究で、1日2時…

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