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6月6日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトで、イスラエル軍の空爆を受けた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校を調べるパレスチナ人の男性=ロイター
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 イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校を空爆したことをめぐり、国際社会から非難が相次いでいます。UNRWAのラザリーニ事務局長は6日、「国連の建物を攻撃したり、軍事目的で利用したりすることは、国際人道法を無視している」と非難しました。この空爆では子ども14人、女性9人を含む40人が死亡したとされています。

 一方、イスラエル軍のハガリ報道官は「学校にイスラム組織ハマスの拠点が置かれていた」と主張しましたが、ラザリーニ氏は「確認できない」としています。ガザでの昨年10月の戦闘開始から7日で8カ月が経過しましたが、停戦への道筋は見えていません。

  • 【そもそも解説】中東で何が起きている?イスラエルがイランに攻撃か
  • 【一つ前】5月25日~6月6日(日本時間)の動き

■■■2024年6月8日(日本時間)の動き■■■

ネタニヤフ首相、「国連はハマス支持者に加わった」と非難

 国連が今月に公表する予定の年次報告書で、イスラエルを「子どもの人権侵害国」と認定することを明らかにしたことについて、イスラエルのネタニヤフ首相は7日、「国連は今日、ハマスという殺人者集団を支持する人たちに加わった」と非難する声明を発表した。

 声明で、ネタニヤフ氏は「イスラエル軍は世界で最も倫理的な軍隊で、国連の妄想的な決定はそれを変えることはできないだろう」と述べた。

米軍、食料搬入の桟橋修理を完了 数日以内に支援再開へ

 米国防総省は7日、パレスチナ自治区ガザ地区に海上から食料などを運び込むために米軍が設置した浮桟橋の修理が完了したと発表した。桟橋は悪天候で破損していたが、数日以内に海上ルートからの人道支援を再開できる見通しとなった。

 米軍はガザの人道危機に対応するため、5月半ばに桟橋を設置し、海上からの食料などの搬入を開始した。だが5月25日に荒波と悪天候で桟橋が破損。物資搬入を停止し、桟橋を修理していた。

 米中央軍のクーパー副司令官は「海上から援助を届ける手法は効果的であることは証明済みだ。人道援助が以前のレベルより増えることを期待している」と語った。

国連、イスラエルを「子どもの人権侵害国」に認定へ

 国連のデュジャリック報道官は8日、今月公表する予定の子どもと武力紛争に関する年次報告書で、グテーレス事務総長がイスラエルを「子どもの人権を侵害している国」と認定していることを明らかにした。

 報告書では2023年を対象期間に、子どもの殺害や傷害、性的暴力などを行った国などをリストアップしている。22年の1年間を対象とした昨年公表の報告書では、ウクライナ侵攻を続けるロシアが、国連安全保障理事会の常任理事国として初めて「人権侵害国」に指定されていた。

ブリンケン米国務長官、イスラエルとアラブ3カ国を訪問へ

 米国務省は7日、ブリンケン国務長官が10~12日にエジプト、イスラエル、ヨルダン、カタールの中東4カ国を歴訪すると発表した。イスラエルとイスラム組織ハマスとの間で停戦案を合意に持ち込めるかが焦点だ。

 今回の訪問について、ミラー報道官は「停戦の合意に達する必要性について議論する」と説明。「停戦案がイスラエル人とパレスチナ人の双方にどのような利益をもたらすか」を強調し、合意を迫る考えだという。

 バイデン米大統領が5月末に公表した新たな停戦案は「ハマスからの公式回答を待っている段階だ」(ホワイトハウスのカービー広報補佐官)という。ハマスとの交渉役を担うエジプトとカタールを通じて、ブリンケン氏は停戦案への合意と人質の解放を訴えるとみられる。

■■■2024年6月7日(日本時間)の動き■■■

ガザ戦闘開始から8カ月、死者3万6731人に 民間人の犠牲に歯止めかからず

 パレスチナ自治区ガザの保健…

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