第2次世界大戦の終結から80年となる今年は、国連創設から80周年の節目でもある。
- 大国の横暴、薄れゆく「法の支配」 戦後80年、問われる日本の役割
「戦争の惨禍から将来の世代を救う」。国連のグテーレス事務総長は9日、長崎の平和祈念式典に寄せた言葉で、国連がそんな使命のもと誕生したと述べた。その上で、「核兵器の脅威が再び世界に影を落としている。軍事費が過去最高を記録する一方で、平和と持続可能な開発への投資は低迷している」と懸念を示した。
ウクライナ侵攻にガザの戦闘…手立て打てず
だが、世界では戦乱が絶えず、この危機感が共有されているとは言いがたい。主権や領土の尊重を大前提としてきたルールに基づく世界秩序も、崩壊の危機にある。
3年半前に始まったロシアのウクライナ侵攻は、この秩序を大きく揺るがした。プーチン大統領は「核の脅し」をちらつかせ、占領地の割譲を要求する。
パレスチナ自治区ガザの戦闘…