イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザでの攻撃がジェノサイド(集団殺害)にあたるのかなどを争う国際司法裁判所(ICJ)の訴訟で、16~17日、オランダのハーグで原告の南アフリカと被告のイスラエルによる審理があった。南アが訴えるガザ最南部ラファへの攻撃停止の請求に対して、イスラエルは棄却するよう求めた。
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南アは昨年12月、イスラエルを提訴した。ICJはこれまで、ジェノサイドを防ぐための「全ての手段」をとることなどを命じる暫定措置命令を2度出した。一方、軍事作戦の停止には踏み込んでいない。
今回の審理は、南アが10日に追加の暫定措置として、ラファ攻撃の緊急停止をICJに求めたことを受けて開かれた。南アは「ラファへの侵攻はパレスチナ人全体の存在を脅かしている」として、ラファを含むガザ全域で攻撃を停止することなどを求めた。これに対し、イスラエルは「悲劇的な戦争は起きているが、ジェノサイドではない」などとして南アの請求を棄却するよう求めた。
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