第67回秋田県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は大会2日目の31日、秋田市のあきた芸術劇場ミルハスで中学生の部の審査が行われた。27団体が出場し、9団体が金賞に輝いた。そのうち土崎、本荘北、秋田南、山王が8月24日に福島県郡山市で開かれる第68回東北吹奏楽コンクールの県代表に推薦された。
審査結果は次の通り。(演奏順。東北大会出場団体を除く)
【金賞】秋田南高校中等部、泉、桜、大館一、湯沢南【銀賞】秋田大教育文化学部付属、御所野学院、大曲、将軍野、城東、十文字、秋田西、花輪、御野場【銅賞】横手南、本荘東、東雲、美郷、天王南、横手明峰、外旭川、秋田東、城南
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理科の先生率いる33人のバンドが、50人のバンドにも負けない力強いサウンドを披露し、夢だった東北大会への切符をつかんだ。
秋田市立土崎中は、課題曲Ⅱ「ステップ、スキップ、ノンストップ(順次進行によるカプリッチョ)」(後藤洋作曲)と自由曲「空海の旅」(広瀬勇人作曲)を披露。
課題曲では、曲を構成するシンプルな音階ひとつひとつを表情豊かに奏でて、音楽づくりの確かさを示した。前後は、この部門の演奏人数の上限ぴったりの50人のバンド。だが、サウンドでも引けは取らなかった。33人が奏でる豊かな響きは、ホールを心地よく包みこんだ。
「うまくいかなかったという声もあったけど、全体的に、ひとつひとつの音がよかった。楽しんで吹きました」。アルトサクソフォン担当の佐藤里桜(りお)部長(3年)は、誇らしげに笑った。
学校としては、2009年に東北大会出場経験はあるものの、しばらく県大会からも遠ざかっていた。
2023年、理科が専門でバスケットボール部の副顧問をしていた鎌田名安子(なあこ)教諭(25)が、吹奏楽経験を買われて顧問になると、11年ぶりの県大会出場を果たした。だが、結果は銅賞。昨年は小編成部門で銅賞だった。
「悔しい。うまくなりたい」。3年生10人は話し合い、東北大会を目標に大編成部門への出場を決めた。
入学時は全員が初心者だったが、鎌田さんが山王中と秋田南高の吹奏楽部で身につけた指導法と、自主練習も実り、めきめき上達した。
「部に入らなければ経験できなかった楽器の演奏が、楽しくて。吹奏楽は全員でつくりあげるもの、仲間同士の絆を深めてくれました」。佐藤さんは目を輝かせた。「東北大会では、さらにパワーアップした演奏をしたい」