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男性が取り残された浄水場=2021年12月16日、大阪府守口市、朝日新聞社ヘリから、西岡臣撮影撮影

 大阪府守口市の浄水場工事で2021年、配水管を設置するためのトンネルを掘削中、土砂水が流れ込み、作業員が取り残された事故で、府警は9日、工事責任者ら4人を業務上過失傷害の疑いで書類送検し、発表した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 送検されたのは、大勝建設(大阪市)の当時土木部所長の男(51)ら計4人。いずれも容疑を認めているという。

 工事は浄水場を管理する大阪広域水道企業団が発注し、大勝建設などの共同企業体が受注。同企業団によると、守口市内の二つの浄水場をつなぐ配水管を設置するため、地下約27メートルで掘削機を使いトンネルを掘っていたが、掘削機内に土砂水が流れ込み、男性作業員が閉じ込められたという。

 捜査1課によると4人は、事故以前に掘削機内で土砂水が噴き出ることがあり、注意義務があったにもかかわらず、適切な措置を怠って作業を継続。同年12月16日、掘削機内に土砂や地下水が流入し、作業中の20代男性を取り残し、低血糖症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを負わせた疑いがある。男性は約47時間後に救出された。(田添聖史)

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