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 岸田文雄首相とバイデン米大統領は10日に行われた首脳会談後に発表した共同声明で、自衛隊と米軍の指揮統制機能の強化を表明しました。米政府はインド太平洋軍に指揮統制権を残す一方、在日米軍の司令部機能を強化する方針です。今年度末までには、自衛隊に統合作戦司令部も創設されます。日米の指揮統制機能の強化を訴えてきた磯部晃一・元陸上自衛隊東部方面総監は、「日本を攻撃しようとする相手に付け入らせないための措置だ」と語ります。

 ――在日米軍には指揮統制機能がないのですか。

 在日米軍は基本的に行政的な機能を担い、指揮統制権は米ハワイに司令部があるインド太平洋軍が握っています。在日米軍は、日米地位協定を巡る調整を日本政府と行うため、「プロトコル(儀礼)上のカウンターパート」と表現する人もいます。

 このため、日本周辺で危機が発生した際、日米共同防衛体制を構築するために時間がかかってしまうのではないか、という指摘が以前から出ていました。

なぜ、これまで改革が進まなかったのか

 ――米軍内で改革の動きはな…

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